芝浦工業大学土木工学科 マテリアルデザイン研究室 本文へジャンプ
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2011年度

研究室で取り組んでいる研究

【セメント開発】
環境負荷低減を目指した要求性能を満足するセメントの開発
                    (担当:高橋(B4)、村上(M2))

高炉スラグ微粉末を用いたセメントは、クリンカ使用量を低減できることからCO2排出削減につながる。しかしながら、現在の高炉セメントB種では使用箇所が限定されることがあり、さらにC種ではその傾向が顕著である。一方、あまり検討が進められていない高炉セメントA種相当でも、クリンカ使用量を減らすことが可能である。そこで、このA種相当において、クリンカと高炉スラグ微粉末の特徴を持ち合わせるセメントの開発を目指している。特に、アルカリ骨材反応の制御ならびに中性化と塩害に関して、最適な配合を検討する。







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【セメント開発】
環境負荷低減可能なセメントの水和特性と劣化抵抗性のメカニズム検討

                             (担当:村上(M2))

環境負荷低減を目指し、高炉スラグ微粉末の低添加状態で要求性能を満足するセメントを物理的に検証する。その結果として得られる物理特性(中性化や塩害抵抗性、アル骨抵抗性、強度発現、発熱、体積変化など)の原因となりうるメカニムズの検討を主に行う。スラグに存在するAl2O3が及ぼすセメント水和への影響程度や水和生成物(劣化物質との生成物を想像します)への影響などすると考えられ、XRDTGSEMなどを駆使して現象メカニズムを検討する。











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【施工管理】
電気伝導率を用いたうち重ね限界の制御システムの開発

                             (担当:毛塚(M2))

コンクリートの打ち重ねには制限時間があり、この制限時間を超えると打ち継ぎ処理が必要となる。しかし、この制限時間は周囲の気温やセメント種類、配合などにより大きく変動すると考えられる。そこで、現場で直接的に制限時間を計測するために、電気伝導率を用いた制御システムを提案している。本年度は、電気伝導率を用いて制御時間が推定できるメカニズムについて、水和等の観点から検討する。



【施工】
再振動締固めの意義とその効果の検証
                             (担当:薮崎(B4))

昨年度、再振動締固めを実施したコンクリートの品質向上の定量化を検討した。しかしながら、顕著な差が認められるには及ばなかった。本年度は、@障害物下面の空隙形成への影響、A新たなる再振動締固めの意義の検証を実施する。再振動締固めはコンクリートの硬化直前に振動するため、コンクリートの品質向上以上に、フレッシュコンクリートの性能を継続(延長)することができると考え、その評価を実施する。





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【施工管理・養生】
四電極法を用いた要求性能を満足する養生終了時期の推定

                     (担当:上原(B4)、豊村(M1))

水分状態を計測することが可能な四電極法を応用して、型枠内または養生中、養生終了後などコンクリートの環境が変化する条件を経時的に計測し、電気抵抗値を計測する。別途、その条件で作製されたコンクリートがある材齢経過した後の耐久性を計測し、養生の有無と耐久性を関連つける。さらに、養生の限界を見出し、それ以上養生を続けても耐久性(強度)が増加・向上しない条件を見つけ、抵抗値との関係を検討する。






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【養生】
養生による内部湿度の相違が耐久性に与える影響
                             (担当:原本(B4))

養生(型枠存置期間を含む)を変化させることにより、養生期間中の内部湿度が大きく異なる。その期間中の水の逸散速度が異なると考えられることから、水和進行度や空隙特性に大きな影響を及ぼし、長期的な特性である耐久性が変化すると想定される。そこで、各種養生方法ならびに養生期間を変化させた試験体を用いて内部湿度を計測するとともに、養生終了後に劣化因子としてCO2ガスと塩分浸透を測定し、関係づける。
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【養生・耐久性】
養生方法や期間の相違が塩分浸透速度に与える影響

                      (担当:青山(B4)、豊村(M1))

コンクリートの耐久性向上には養生期間の確保が重要であることは近年、定量的に表現されて来た。特にガスの移動は明確である。しかしコンクリート中の液相を移動する塩化物イオンに関しては定量的ではない。促進劣化を促すことで、水分を供給する必要があり、その際に未水和であったセメントが再水和をして緻密化してしまうことで、評価が有利に働くためである。そこで本研究では湿気で塩化物イオン供給することで劣化を促し評価を図る。
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【硬化物性】
高温養生された高炉セメントコンクリートの圧縮強度と弾性係数の関係調査

                             (担当:松本(B4))

一般的にコンクリートの圧縮強度と静弾性係数は一義的な関係を有しており、材齢経過時の強度発現とともに、静弾性係数も増加する事が知られている。しかし高炉セメントを用いたコンクリートを40℃程度の高温で養生した場合、長期材齢において強度は増加するものの、静弾性係数は低下するとの報告がある。そこで本研究では、その再現実験を実施するとともに、その現象メカニズムを物理的ならびに化学的観点で検証する。
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【劣化予測】
真空吸水試験を用いた劣化進行予測システムの構築

                            (担当:井ノ口(M2))

経年したコンクリートは中性化や塩化物イオンが混入された状態で存在する。このようなコンクリートの劣化予測をすることは、維持管理を行っていくうえで重要である。一方、構造物が建設された当初の施工記録等は現存するものが非常に少ないと想定される。特に、養生の有無については不明な点が多い。そこで、当研究室で開発した真空吸水試験を用いることで、経年したコンクリートの養生の良否を判定し、その結果を用いた劣化予測を行う手法を開発する。また、経年による中性化や塩化物イオン浸透による影響を考慮できるシステムの開発を行う。














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【補修施工】
表面含浸材の施工条件が各種性能に与える影響
                             (担当:山辺(B4))

耐久性向上を考慮した場合、コンクリート表面に含浸材を塗布する工法が広く使われ始めている。しかしながら、無機材料であるケイ酸塩系含浸材であっても、施工時に水分が必要なものと不要なものが存在する。そこで、@メーカー推奨の施工方法・養生期間を設けたもの、Aメーカー推奨よりも施工を怠ったもの、B取り違えを想定し、水分条件を逆に設定したものを作製し、中性化や塩害等の耐久性や水密性、表面硬度・観察などを実施し、比較検討する。












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【補修】
無機系ひび割れ注入材の基本物性とひび割れ注入効果の検証
                             (担当:荻村(B4))

コンクリート構造物はひび割れが発生しやすい。しかし全てのひび割れが問題となるわけではない。構造上問題となりうる、比較的大きなひび割れは大規模な補修が必要となり、多額な費用が必要となる。一方、美観や景観上、気になるひび割れは、構造上や耐久性に影響を及ぼさない限り、簡易的な補修で十分であると言える。その判断は困難であるが、あまりにもひび割れに敏感になり過ぎであるとも考える。そこで費用をかけずにひび割れをある程度充填し、見た目を目立たなくする事が重要であると考える。本研究では、コンクリートと同じセメント系無機材料を用いてひび割れを簡易的に充填することを目的に、その材料の基本物性とひび割れ充填後のコンクリートの物質透過性を計測し有用性を評価する。











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【社会】
社会基盤構造物の建設が周囲や社会に与える影響の定量評価
                             (担当:市川(B4))

社会基盤構造物は時には、周囲環境を大きく変化させることが想定される。そのため、環境アセスメントに代表される予測は一般的に行われている。しかし、社会基盤構造物が建設されることは、人間の社会生活にも大きな影響を与えることが想定される。そもそも、土木の社会資本整備においては利便性を向上させることがひとつの目的となっているためである。本研究においては、関東で最大級の宮ヶ瀬ダムを研究対象とし、建設前後による周辺住民や社会環境の変化を調査すると共に、構造物建設による社会インパクトや観光にも焦点をあて、総合的に建設メリットとデメリットを整理する。またこの例を成功例とし、国内外でこの事例を検討することで社会基盤構造物の社会貢献性を向上できるシナリオデザインを実施する。
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